リビングを明るい空間に。彩光をよくするための6つのコツ
ゆったりとリラックスしながら過ごしたり、大切な人と語り合ったりして過ごすリビング。
一日の中で過ごす時間が長い場所だからこそ、快適で心地のいい空間にしたいですよね。リビングの快適性に関わる要素の一つに「採光」があり、家づくりにおいては窓の位置や方角を綿密に考える必要があります。
「リビングを明るく開放的な空間にしたい」
「日当たりで失敗したくない」
このような要望をお持ちの方のため、本記事ではリビングを快適空間にするための採光計画について解説します。
法律に基づく採光基準や、リビングの日当たりをよくするためのコツもご紹介するので、マイホーム計画がある方はぜひ参考にしてください。
彩光とは?
採光とは、建物の内部に自然光を取り込むことで、室内を明るく快適にする工夫や技術のことを指します。
リビングルームのように人が集まったり、リラックスして過ごす場所は採光計画を綿密に考えることが大切です。
採光に影響を与える要素には建物の設計や窓の位置、日差しの角度などがあり、これらの要素を効果的に組み合わせることで明るく快適なリビングが実現します。
採光には大きく「法律で定められるもの」と「そこで生活する人が感じる日当たりの良し悪し」という2つの意味があります。
家づくりにおいては建築基準法という法律が関係してくるので、マイホーム計画がある方はこの法律について最低限の知識を身につけておくといいかもしれません。ここからは法律における採光と、一般の方が考える採光の違いについて簡単にお話します。
建築基準法における彩光
建築基準法では、人が長時間過ごす居室には採光を確保するための開口部をつくらなければいけないという厳密なルールがあります。
(居室の採光及び換気)
引用元:建築基準法
第二十八条 住宅、学校、病院、診療所、寄宿舎、下宿その他これらに類する建築物で政令で定めるものの居室(居住のための居室、学校の教室、病院の病室その他これらに類するものとして政令で定めるものに限る。)には、採光のための窓その他の開口部を設け、その採光に有効な部分の面積は、その居室の床面積に対して、五分の一から十分の一までの間において居室の種類に応じ政令で定める割合以上としなければならない。
居住用の建物では、窓の大きさがその部屋の床面積に対して計算されます。この基準を満たした設計でなければ確認申請がおりず、建物を建てることはできません。
このルールは一般住宅のリビングや寝室だけでなく、学校や病院など、日常生活で継続的に使われる部屋(居室)にも当てはまります。
日当たりの良し悪しにおける彩光
一般の方が採光という言葉を用いる時は、おもに日当たりの良し悪しをいう意味を指す場合が多いです。
このケースでは光の明るさや量について厳密な数値はなく、採光は単に「日当たりの良さ」という意味で用いられています。
家づくりにおいて、日当たりをまったく意識しない人はまずいません。家の中で長く過ごす場所だからこそ、日当たりのいい部屋にしたいと考えるのは当然のことです。
マイホーム計画では理想や好みが色々出てくると思いますので、細かな希望がある場合は実現できるかどうかも含め、プロに相談しながら進めていくと安心感が増すでしょう。
リビングで彩光を意識しなければいけない理由
リビングは採光計画を綿密に考えなければならないとお伝えしましたが、その理由は次の通りです。
- 閉塞感のある空間になるから
- カビが発生しやすくなるから
- 健康に悪影響を及ぼすから
暗い部屋は閉塞感を感じやすく、明るい部屋に比べて快適性やリラックス効果が低くなる傾向にあります。
私たちの体は日光を浴びると「セロトニン」の分泌が促され、精神が安定したり幸せな気持ちになったりと心身にいい影響があります。(セロトニンは別名「幸せホルモン」とも呼ばれているんですよ)
日当たりが十分でない部屋にいると気分が落ち込んだり、不安な気持ちに襲われたりなど、メンタルのゆらぎにつながるリスクが高まってしまうのです。
日光には骨を強くするビタミンDの生成をサポートする効果があり、子どもの発育のためにも適度な日光浴が欠かせません。
また、日光の殺菌効果はカビやホコリによるアレルギー対策にも有効です。健康を維持するという意味でも、家づくりでは採光計画についてじっくりと考えることをおすすめします。
リビングの彩光をよくするための6つのコツ
リビングを明るく快適な住空間にするには、次の6つのポイントをおさえることが大切です。
- 間取り
- 窓の方角
- 天井
- カーテン
- インテリア
- 天井や壁
ここからは採光をよくするための具体的なコツを解説していきます。
1.間取り
リビングの採光を考えるにあたって、重要な要素の一つとなるのが間取りです。
一般的に、リビングは明るくあたたかい南向きがいいとされていますが、デメリットもゼロではありません。
以下は部屋の方角ごとのメリットとデメリットをまとめたものです。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
南向き | 季節を問わず明るい。日当たりがいいので湿気がこもりにくい。 | 夏は室温が上がりやすい。家具やフローリング、本などが日焼けすることも。 |
西向き | 午後になると日当たりがよくなる。室内から夕日を楽しむことも。 | 夏は夜までエアコンが必要になる。冬の早朝は薄暗くなりやすい。 |
東向き | 日の出が入り、午前中は採光がいい。 | 午後は薄暗くなる。冬は早い時間から電気を使う必要がある。 |
北向き | 室温が上がりにくい。 | 薄暗く湿気がこもりやすい。隣家のリビングが南向きだと視線が気になる。 |
南向きの部屋は時間帯を問わず明るいことが最大のメリットです。一年を通してあたたかいので、賃貸でも南向きの物件は価格が高い傾向にあります。
ただし、夏は部屋が暑くなりすぎたり、家具の日焼けや退色が気になったりすることがあるかもしれません。
西向きも日当たりは良好ですが、西日が入るので午後から夕方は暑くなりやすく、夜までエアコンが必要になる可能性があります。朝型の生活をする方は、朝日が入る東向きの部屋がおすすめです。
北向きの部屋に関しては薄暗く湿気がこもりやすいため、どちらかといえばリビングの間取りには不向きです。ただし、吹き抜けの有無や空調設備次第では快適に過ごせる可能性もゼロではありません。
間取りを考える時は上記のメリット・デメリットに加え、立地や周辺環境、ライフスタイルなどを総合的に考慮することが大切です。
2.窓の方角
窓の位置はリビングの彩光に大きく影響する要素の一つです。
南向きの窓は日中の自然光を最大限に取り込むことができるので、リビングには最適な方角といえます。日当たりを最重視するなら、窓のサイズも大きめがいいでしょう。
隣家や大きな道路に面しているとプライバシーの面で不安が残る場合は、窓を複数設置して光の入り方を分散させることをおすすめします。
3.天井
リビングの明るさを保つには、天井の高さと色も意識しましょう。
高い天井は視覚的に空間を広げ、自然光や人工光を効率的に拡散させます。天井の色は白や明るいトーンにすると光が反射しやすくなり、全体的に明るい印象を与えます。
もう一つおすすめしたいのが、吹き抜け窓で天井からの採光を強化する方法です。吹き抜け窓には、壁に設置された窓からは取り込めない光を室内に届けられるメリットがあります。
日中の自然光が長時間リビングに差し込むので、日照時間が短い季節でも部屋の明るさとあたたかさを保つ効果が期待できます。
4.カーテン
カーテンの選び方は、リビングの採光に大きな影響を与えます。
厚手のカーテンは光を遮りすぎるため、日中でも部屋が暗くなりがちです。色の濃いカーテンも空間を暗い印象に見せてしまうので、採光を意識するなら薄手で明るい色のカーテンを選ぶのがおすすめです。
また、カーテンにはプライバシーを守る役割もあるため、目隠しと採光の2つを実現するにはレースカーテンが必須です。レースカーテンは外からの視線を遮りつつ、室内に光を取り込む機能を備えた採光タイプのものが便利ですよ。
5.インテリア
新築以外でリビングの採光を工夫するなら、インテリアの選び方と配置にこだわりましょう。
具体的なポイントは次の通りです。
- 大きな家具は窓際に置かない
- 家具やインテリアは明るい色調のものにする
- 大きめの鏡を置く
窓際に障害物があると室内に十分な自然光を取り込むことができないので、大きな家具は窓から離れた位置にレイアウトすることが大切です。
家具やインテリアは、暗い色よりも明るい色調の方が光を反射しやすく、空間全体が明るい印象になります。
室内に鏡を設置するのも光を拡散させる効果的な方法なので、インテリアの参考にしてみてください。
6.天井や壁
空間を明るく見せるという意味では、天井や壁の色も重要な要素です。
白や明るい色調の壁紙は、光を反射しやすく部屋全体を明るく見せることができます。光沢のある壁紙も光を拡散させるのに最適です。
壁に装飾を加える際も、明るい色やシンプルなデザインを選ぶと彩光が引き立ち、開放感のあるリビングを作り出すことができますよ。
彩光とプライバシーを両立する方法
採光計画では間取りや窓の位置が重要だとお伝えしましたが、採光だけを考えた家づくりはプライバシーの面で不安が残ります。
窓を増やしたり大きくすれば、その分プライバシーを確保するのが難しくなります。では、どのように採光とプライバシーを両立すればいいのか、有効な方法をいくつかご紹介します。
- 中庭
- 天窓・高窓
- 吹き抜け
- レースカーテンやシェード
- 窓用の目隠しシートやフィルム
新築の予定がある場合、中庭のある家づくりを検討してみてはいかがでしょうか。
中庭に面した窓があると、外部の視線は気にせずに十分な自然光を取り込むことができます。住宅密集地でも植栽や壁の配置次第で、プライバシーを保ちながら開放的で明るい空間を実現できます。
天窓や高窓、吹き抜けも自然光を取り込みつつ、プライバシーも確保できる理想的なアイデアです。
新築やリフォーム以外で採光とプライバシーを意識するなら、カーテンや目隠しフィルムも有効な方法です。
明るいリビングで快適な家づくりを!採光計画の困りごとはプロに相談しましょう
家族が集い、団らんを楽しむリビングは、採光が十分な快適空間でなければなりません。
採光には間取りや窓の配置、カーテンやインテリアの選び方など、さまざまな要素が影響します。本記事でご紹介したポイントを意識しながら、健康で心地のいいリビングを実現してください。
株式会社COLORHOUSEは、住空間に「彩(いろどり)」を加えるインテリアプランニングに定評があります。
「リビングの採光について相談したい」「快適に過ごせる空間にしたい」など、一人ひとりのご要望に合わせたプランを提案させていただきます。
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