天井を高く見せる6つのテクニック|クロスや照明、配色などの方法を紹介
投稿日:2024年10月17日 | 最終更新日:2024年10月17日
天井が高いと感じる空間には開放感や洗練された雰囲気があります。
広々としたお家や店舗をじっくりと観察すると、ただ単に広いだけでなく、天井高をはじめ空間の至るところに工夫が隠されていることに気が付きます。開放的な家づくりを目指す場合は、天井を高く見せる工夫を真似してみるのがおすすめです。
本記事では、部屋の天井を高く見せる6つのテクニックをご紹介します。新築やリフォームだけでなく、既存の家の天井を高く見せる方法もご紹介するので、インテリア見直しの参考にしてください。
天井が高い空間にはさまざまなメリットがある
天井が高い空間には、見た目の良さだけでなく多くの実用的なメリットがあります。
第一にあげられるのが開放感です。狭い部屋でも、天井が高ければ空間を広く感じさせる効果があります。
広々とした空間は心理的な余裕を感じさせ、ストレスの軽減につながります。また、天井が高い部屋はそうでない部屋に比べて空気の流れがよく、室内の空気質を向上させるのにも有用です。
また、照明や装飾の選択肢が広がり、インテリアデザインの自由度が増すのも、天井を高くすることによって得られるメリットです。
補足ですが、天井の高さが人の心理や思考に影響を及ぼすことを「カテドラル効果」といいます。カテドラルには「聖堂」という意味があり、聖堂のように天井の高い空間にいると心理的な利点が多いことが明らかにされています。
天井を高く見せる6つのテクニック
天井が高い空間にはさまざまなメリットがあるので、快適な住まいを実現するにはぜひ天井を高く見せる工夫を取り入れてください。
既存の家の天井を高く見せる方法には次のものがあります。
- 色彩
- 照明
- ウインドウトリートメント
- クロス
- 家具・インテリア
- 装飾品
ここからはそれぞれのテクニックを詳しく解説します。
1.色彩
空間を広く感じさせたい時、まず取り入れたいのが色彩の効果です。
たとえば、天井の色を壁よりも明るくすることによって、心理的に天井を高く感じさせることができます。ここでいう「明るく」とは「白を多く感じる色」のことです。
心理的に天井を高く感じさせる究極の色は「白」ということになりますが、もし壁に色がある場合は「その色味を少し感じる白」にするとおしゃれな空間になります。
また、天井の色だけでなく、壁の色を天井よりも少し濃い色にすると対比効果で天井を高く見せることもできます。
色彩には空間の印象を根本から変える力があり、微妙な色の濃淡を使い分けることで視覚的な錯覚を生み出し、空間をより大きく感じさせることが可能です。
マンションであれば、構造上部屋の中に梁が出ていることは珍しくなく、そのせいで圧迫感が出てしまうこともあるでしょう。その場合、無理に天井を高く見せようとはせず、あえてカラーを施して梁をアクセントとして楽しむといった方法もあります。
2.照明
照明は空間の雰囲気を左右するだけでなく、工夫次第で天井を高く見せる効果もあります。
本来、照明は上から下に向かって設置するものですが、天井を高く見せたい場合には光を上に広がるように設置するのがおすすめです。具体的には、ペンダントライトを吊るしたり、照射角度を変えられる間接照明を活用するなどの方法があります。
また、空間を広く見せるという意味では、光を壁に当てることも効果的な方法です。単に部屋を明るくする目的だけでなく、空間を広く見せるために照明を設置するのはインテリア上級者ならではのテクニックです。
間接照明は空間に濃淡を生み出し、部屋に立体感を演出する効果があります。室内の雰囲気は光の温度や強度によっても変わるので、照明を選ぶ際は調光可能なものを選ぶことも一つの方法です。
3.ウインドウトリートメント
ウインドウトリートメントとは、窓の周りを装飾したり、その装飾に使うためのアイテムの総称を指す言葉です。
ウインドウトリートメントでもっともわかりやすいのがカーテンです。カーテンの色やデザイン、素材を工夫するだけで天井を高く見せることができます。
カーテンを選ぶ際は、目線が上下に走るような縦ラインを強調した色柄を選ぶのがおすすめです。また、カーテンレールを天井近くの高い位置に取り付けるのもいいでしょう。
そもそも日本では、カーテン=外からの視界を遮り、プライバシーを確保するためのものという認識が一般的です。それ自体は非常に重要な用途ではありますが、空間の中にある以上はインテリアとして活用しない手はありません。
4.クロス
クロス(壁紙)は、そのパターンや質感によって空間の印象を大きく左右する要素の一つです。
天井を高く見せたい場合は、縦ラインを強調するような柄や、光を反射する光沢のあるデザインがいいでしょう。色は断然ホワイト系がおすすめです。
シンプルなクロス以外にも、木目のクロスを縦に貼るアイデアもあります。縦ラインが強調され、天井を高く見せる効果があります。
5.家具・インテリア
天井を高く見せるテクニックには、家具やインテリアを活用する方法もあります。
もっとも簡単なのが、テレビボードや棚、ソファなどの大型家具は背の低いものを選ぶことです。背の低い家具を設置すると壁の余白が長くなり、天井まで距離があるように感じられます。
空間を広く見せるという意味では、ガラス製やスケルトン素材の家具を選ぶのもおすすめです。ガラステーブルや透明のシェルフは奥行きを感じられるので、圧迫感の軽減につながります。
6.装飾品
インテリアのプロは、部屋を広く見せるために装飾品も駆使します。
装飾品で天井を高く見せるテクニックとしておすすめしたいのが、鏡です。鏡には奥行きがあるように見せたり、光の反射で部屋を広く見せる効果があります。
サイズは大きければ大きい方がいいですが、横幅のあるものを設置するのが難しい場合は縦長の鏡をチョイスしましょう。
新築・リフォームで天井を高く見せる方法
新築やリフォームでは、天井の高さを計画的に決めることができます。
現在、日本の一般住宅の天井高を2400mmとするのが一般的です。建築基準法には「居室の天井高は2100mm以上」という規定があり、それ以上にする分には問題がありません。
(居室の天井高さ)
第二十一条 居室の天井の高さは、二・一メートル以上でなければならない。
引用元:文部科学省「建築基準法施行令の一部を改正する政令(平成17年11月7日 公布・施行)」
天井を高く見せる方法として、もっともシンプルなのは天井高を高くすることです。新築やリフォームであれば叶えられるので、マイホーム計画のある方は前向きに検討してみてはいかがでしょうか。
ただ天井を高くするのではなく、間取りの自由度を高めるにはスキップフロアという選択肢もあります。また、吹き抜けや折り上げ天井、天窓なども天井を高く見せるのに効果的なアイデアです。
天井高は部屋の目的に応じてふさわしい高さがある
近年のトレンドとして、天井は高ければ高いほどいいという傾向がありますが、実際は部屋の用途によって最適な高さが異なります。
ホテルを例に考えてみると、天井高があるのはエントランスホールやレストランのみで、客室に入ると天井はそんなに高くありません。
一般住宅も同じで、リビングやダイニングなどの人が集まる場所には開放感があった方が居心地の良さを感じられます。一方で、寝室や書斎のような個人的な空間は、天井は低めの方が落ち着いた雰囲気を演出しやすいです。
また、また、キッチンやバスルームなどの機能性を求められる空間では、適度な天井高が作業効率の向上や清掃のしやすさにつながります。天井高を部屋の機能や雰囲気に合わせて考えることで、住まい全体の快適性を高めることができるのです。
天井高について考える機会がある時は、パブリックスペースとなりうる空間のみ天井を高くすることをおすすめします。すべての部屋の天井を高くする必要はなく、部屋別に変化をつけることで天井高のある部屋がより魅力的に感じられるはずですよ。
天井を高く見せるデザインで空間を最大限に活用しよう
本記事では、天井を高く見せるさまざまなテクニックをご紹介しました。
既存の家であっても、色彩の選択から照明の配置、家具屋インテリアの選び方まで、実に多様な方法で空間を広く見せることができます。新築やリフォームの予定があれば、天井を高く見せる方法の選択肢が広がります。
空間を広く見せたい場合は、視覚的効果を駆使して快適な家づくりを楽しんでみてください。
株式会社COLORHOUSEは、色彩計画を強みとするインテリアデザインオフィスです。好みやこだわりを形にするコーディネートをご提案できますので、お気軽にご相談ください。