フローリングの種類と樹種の違いを解説
投稿日:2021年2月1日 | 最終更新日:2021年2月1日
床仕上げ材の一番の人気は「木質フローリング」ですね。
戸建てもマンションでも、玄関からリビング・ダイニング・キッチンまで同じフローリングで仕上がっていることが多く、インテリアに大きく影響する仕上げ材です。
フローリングにはいくつかの種類や樹種の違いがあり、新築やリフォームを計画されている方には、その選択に悩まれると思います。
そこでこの記事では、フローリングの種類や樹種の違いと、メリット・デメリットなども合わせてご紹介していきたいと思います。
フローリングの種類
フローリングは「無垢フローリング」と「複合フローリング」の2種類があります。
無垢フローリング
「無垢フローリング」とは、切り出した木材の一枚板を加工した床材のことです。
又は、「単層フローリング」と呼ぶこともあり、切り出した一枚板をそのまま用いる為です。
天然木独特の香りを感じることができ、質感や手触りも非常に心地よいです。
また、時間の経過とともにその風合いが変化していき、無垢材の大きな魅力となっています。
経年変化は、無垢材では味わい深い魅力的なデザインと言えるでしょう。
一方、天然木100%であるが故にデメリットもあります。
木の種類によっては傷つきやすいものがありますし、収縮と膨張によって起こる反りや割れ・隙間ができたりすることもあります。
定期的にお手入れはした方が良いでしょう。
また、「無垢」と聞くと高級なイメージがありますが、木の種類やグレードなどで価格帯は幅広くあるので、最初から敬遠せず比べてみることをお勧めします。
複合フローリング
「複合フローリング」とは、合板・集成材・単板積層材などの基材の表面に化粧材(挽き板・突き板・特殊シート)を貼り合わせて作られた床材です。
無垢フローリングより一般的に家庭に普及しています。
温度や湿度の変化に強くて収縮や膨張が少ない特徴があるので、無垢材に見られる反りや割れが起こりにくいです。
床暖房用・ペット用・防音用など、環境に合わせて適した素材を選ぶことができます。
複合フローリングは、表面の「化粧材」によって
- 挽き板 複合フローリング
- 突き板 複合フローリング
- シート貼り 複合フローリング
の3種類に分けられます。
次に詳しく見ていきましょう。
①挽き板 複合フローリング
「挽き板」とは、木材を回転する鋸刃で切り出した板の事を指します。
鋸で約2~3mmの厚さに挽いて、合板・集成材・単板積層材などの基材の表面に化粧材として貼り合わせたものが「挽き板 複合フローリング」です。
約2~3㎜の厚さを持たせることで、無垢フローリングと同じくらいの質感を感じることができます。
基材が合板である為、無垢材よりも反りや収縮などの変形が少ないでしょう。
挽き板を使ったフローリングなら、無垢のメリットを長く楽しんでいただけると思います。
②突き板 複合フローリング
「突き板」とは、木材を薄くスライスしたものを言います。
厚みは0.3~1mmと薄く、それを合板・集成材・単板積層材などの基材の表面に化粧材として貼り合わせたものが「突き板 複合フローリング」です。
天然の質感を感じることができ、比較的安価で用意されています。
また、木目を活かして塗装を施した商品も多く、カラーバリエーションが豊富です。
しかし、突き板は挽き板に比べると薄いので、表面に傷が入ると下の基材(合板など)が見えてしまうことがあります。
③シート貼り 複合フローリング
オレフィンなどの樹脂や紙などに、木目柄を印刷したシートを合板・集成材・単板積層材などの基材に貼り合わせたものが「シート貼り 複合フローリング」です。
無垢材や挽き板・突き板と違って天然の木材は使用されていませんが、本物の木のような質感を再現している製品もあります。
木目柄の他、石目柄や抽象柄もあり、選択肢は広いです。
表面がシートなので、容易にお手入れでき天然木に比べると安価です。
しかし、柄を印刷している為天然木ならではの経年変化による風合いを楽しむことはできません。
「挽き板」「突き板」「シート貼り」の違いは、こちらのメーカーでさらに詳しく知ることができます。
参考にしてみてください。
フローリングの樹種
ウォールナット:ウォールナットはクルミ科の広葉樹。滲んだ墨絵のような雰囲気があり、この独特な深みのある色合いが家具・楽器・彫刻など装飾性の高い多様な用途を生んでいます。
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ブラックチェリー:アメリカンブラックチェリーは高級家具の材料として、古くからヨーロッパへ輸出されており、シェーカー家具の職人が、「ニューイングランドマホガニー」と呼んで愛用しました。
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メープル:メープルは北米では、古くから家具に使用され、特に鳥目杢があるものは、バーズアイメープルと呼ばれ、珍重されてきました。
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パイン:パイン材は日本語で「松の木」。柔らかな木目と材質を持ち、加工しやすく、建材だけではなく家具などにもよく利用されます。
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チーク:重厚感に満ちた表情と色合いが人気のチーク。古くから、船の甲板に使われるなど、その優れた寸法安定性と耐久性には定評があります。
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ナラ・オーク:オークはブナ科コナラ属の総称。日本語では落葉樹はナラ(楢)、常緑樹はカシ(樫)と呼ばれ、昔から馴染み深い木材です。虎斑(トラフ)が出るのが特長です。
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タモ・アッシュ:タモ材は、モクセイ科の広葉樹。ヤチダモやホワイトアッシュのことを指します。はっきりとした力強い木目を持ち、和・洋どちらのインテリアにも馴染みます。
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バーチ:バーチ材は主に寒冷地に育つカバノキ科の樹木です。柔らかな木目と、部分的にキラリと光る放射杢を持つのが特徴です。
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アカシア:アカシアは褐色の濃淡はウォールナットに似ていて、ところどころに木目を横切って現れる光沢のある縞模様が、独特のニュアンスを醸し出します。
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桜材:桜材と一口に言っても、本物の桜材から、カバ材でありながら木柄が似ているため桜と呼ばれる材もあります。 桜材は、材面が滑らかで自然な光沢と穏やかな木目が特長です。
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スギ:日本人にとって古くから馴染み深いスギは、その温もりや心地良い香りなどにより、今なお根強い人気があります。空気層が厚く、保温性、断熱性に優れているスギは、人の体温を奪いません。
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ヒノキ:最古の正史である『日本書紀』にもその名が登場するヒノキは、古くから最高級の建築材として知られてきました。
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クリ:秋の味覚として親しまれているクリ。建材としては、縄文時代の遺跡からクリの柱が発見されているように、古くから重宝されていたようです。
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クルミ:古くから、食用として親しまれてきたクルミ。その硬い殻が家庭を守ってくれるとの思いから、「家庭円満」の象徴として、お正月のおせち料理にも登場します。
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マホガニー:世界三大銘木のひとつ・マホガニーは、16世紀にカリブで発見されました。以降、古くは宮殿、ホテルや豪華客船の内装、家具などとして、世界中で使用されてきました。
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※株式会社マルホンHPより
まとめ
フローリングの素材やカラーは、インテリアの方向性に大きくかかわる建築部分です。
先にご紹介した種類と樹種をよく検討して採用していきたいものですね。
かかる費用を考えて、
「パブリックスペースやセミパブリックスペース(玄関・LDKなど)には、こだわりの素材を」
「プライベートルーム(寝室や子供部屋)には、リーズナブルな素材を」
という風に、上手く使い分けするのはいかがでしょうか。
全てサンプルが用意されているので、実際の目で確かめ肌に触れてみてください。
そして、納得できる床材を厳選し、心地よい空間を創造してくださいね。